借金返済に重要な基礎中の基礎知識!これで初心者も安心!
ちゃんと借金を返済できるか、不安に思っていませんか?借金返済に向けて押さえておきたい基礎知識は「利息の計算法」や「返済プラン」、「返済方法」の3つです。これらがわかれば、基本的な返済はこなせますよ。
併せて、滞納したときのこともご紹介します。返済責任の範囲や、滞納時に起こり得る事態と対処法等も知っておくとなお安心ですよ。借入初心者の方はぜひ確認してくださいね。
利子の計算方法を知ろう!日割り計算が要ることに注意
まずは「利子の計算方法」からご紹介します。これがわからないと、借入後の返済総額を正確に計算できませんから、特に重要です。ここについてあやふやな方は、しっかり確認してください。
利息の計算法の基本
利子は「金利○%」との表示で表されることが多いですが、これは年間利息の条件(年利)になります。
- 年間でかかる利子の条件が表示されている
- 現在標準的な表示法
わざわざ年間利子で表示するなんてややこしいと思えるかもしれませんが、これが現在の標準です。どのローンでも、特別な注意がない限り、金利とは年利のことです。まずはこのことを知っておいてくださいね。
これを知らないと、利子の計算を間違えがちだからです。計算自体は借入残高に金利を掛ける形でOKですが、その計算結果は「年間利子」になることにご注意を。
たとえば、年利15%で100万円を借りたとき、「100万円×0.15=15万円」という計算をするのは合っています。ただ、この「15万円」は年間利子、つまり「1年間借りっぱなしで、1度も返済しなければ15万円の利子がかかる」ことを意味します。
本当にこの条件で借りるなら、返済時は元金に年間利子を足して、合計「115万円」を返せばOKです。ただ、借入期間がもう少し短かったり、途中で返済が必要だったりすると、利子の額や計算法は変わります。
まずはこれらのことを確認してください。
ほとんどの場合で日割り計算が必要!
先の例のように、ピッタリ1年間、1度の返済もなく借り続けることは稀ですよね。
- 少額ローンならすぐ完済できる
- 長期ローンは毎月返済が必要
具体的には「日割り計算=1年間の日数で割った後、対象日数分かける」という計算式になります。たとえば、1か月分の利子を日割り計算をしたいなら、次の計算になるわけですね。
ほとんどのケースで日割り計算が必要ですから、これを含めた式を利子の計算法として覚えておくのもオススメです。次の式です。
これさえ覚えれば、借入額や期間に応じて必要な利子を簡単に計算できます。たとえば、先の条件で「1か月だけ借りたケース」を考えてみましょう。次のようになります。
答え 「約1万2000円」
以上のように、金利を借入残高に掛けただけでは、利子を正しく計算できません。年間利子を1か月後の利子などと誤解しがちですから、この日割り計算まで含め、ぜひ覚えておいてくださいね!
返済プランを知ろう!一括と分割で利子が変わる!?
利子の計算を知ると、借入期間が重要だと気付きませんでしたか?借入期間が長引くほど、利息も増える形になっていますよね。借入期間も返済には重要な条件です。
この借入期間は、返済プランで変わります。コレが短くなりがちなのは「一括」で、長引きがちなのが「分割」です。これらのどちらで返すのかで借入期間が変わりますので、返済プランも重要なのですね。これらそれぞれについて、特徴や選び方をご紹介していきます。
一括返済
一括返済とは、現在の借入残高を次の返済日に一括で返す方法です。ローンはだいたい月1で返済が必要なので、これを選んだら1か月後には全額返すような形になることが多く、借入期間が短くなりがちなのです。
これのメリットは以下の4点です。
- 利子が減る
- 返済手続きが1回で済むから楽チン
- 利子の計算もシンプルでわかりやすい
- 将来にリスクを残さない
借りたお金を全額返すのは話が早くていいですし、利子の計算も楽ですよね。一回利子を計算すればそれで終わりとなるわけです。そこで借金が終わりますから、将来、借金を返せなくなる不安もなくなります。非常に利点の多い返済方法です。
特にメリットだと思えるのは「利子が減ること」ではないでしょうか?具体的にどれくらい減るのかは、先の利子の計算で使った例でも少し登場していますが、ここでは各元金ごとに、1か月後と1年後の利子をご紹介します。金利は15%で計算しています。
元金 | 1カ月後の利子 | 12か月後の利子 |
---|---|---|
1万円 | 125円 | 1500円 |
10万円 | 1250円 | 1万5000円 |
100万円 | 1万2500円 | 15万円 |
借入期間によって利子が随分違うなと思いませんか?特に、元金が大きいほど、借入期間の差も大きくなります。1万円くらいなら1か月で返しても125円、1年かかっても1500円です。これくらいならたいして差がないように思えるでしょう。
しかし、100万になると返済期間によって10万円以上の差が出ます。なかなか大きな違いではないでしょうか。大金を借りれば借りるほど、一括返済の利点が大きく感じられますね。
この返済法を選びたいのは、次のケースです。
- お得に借入したい
- 返済を忘れそう
- お金が余っている
利子が少ないほど借入したことによる出費が減るわけですから、お得ですよね。少しでもお得に借入したい方は、この返済法を選ぶといいでしょう。
また、毎月1回の返済を忘れそうだと思うときも、この方法がオススメです。1回返済すればそれで終了ですから、返済を忘れる心配もなくなって安心です。
このような利点から、お金が余っている方は原則コチラを選ぶことをオススメします。コレを選んで得することはあっても、損することは少ないですからね。
分割返済
一括返済の利点は多いのですが、「お金を用意するのが大変」というデメリットもあります。だからこそ、実際には分割返済が利用されることも多いわけです。
これを選ぶと、毎月の返済日に所定の金額を払えばOKです。それを借入残高がなくなるまで続けます。少しずつ、コツコツと返済する形になるのですね。メリットは次のものです。
- 一回当たりの返済の負担が小さい
- 年収が低い人でも大きなお金を借りれる
とにかく「一回当たりの返済の負担が小さいこと」が大きいですね。これがあるおかげで、大金を持っていない方でも借入でき、家や車なども買えるわけですから!
ただ、先の一括払いのメリットの裏返しで「返済が長期間になるほど利子が増えていくこと」は理解しておく必要があります。次の表を見てください。年利15%でそれぞれの元金を借りたとき、各期間で分割返済したときの利子総額です。
元金 | 3カ月 | 6か月 | 9か月 | 12か月 |
---|---|---|---|---|
1万円 | 250円 | 439円 | 632円 | 827円 |
10万円 | 2509円 | 4418円 | 6348円 | 8304円 |
100万円 | 2万5102円 | 4万4200円 | 6万3530円 | 8万3094円 |
借入期間が延びるほど、段階的に利子が増えていきますね。返済期間を長く取るほど、毎回の返済負担は軽くなります。その代わり、利子総額は増えますのでご注意ください。
これを選びたいのは、次のときです。
- 返済に回せるお金がない
- 大金を借りる
何らかの理由で借金返済に回せるお金がないときは、分割返済が向いています。また、数千万円のお金など、一般人にはなかなか出せないレベルの金額を借りるときは、コチラにするのが基本です。
分割返済を利用する人は、このことを基本として知っておいてください。
状況に合わせて向いている方を選ぼう
結局、一括と分割とでどちらにも良し悪しがありますが、その時々の状況に合っている方を選ぶのが正解です。
たとえば、短期間での一括返済を狙えるなら、そちらを使った方が利子が減るのでいいですよね。しかし、利子にばかり目がいって、高額借入したときまで無理に一括を選ぶと、お金を用意できなくて滞納になる恐れがあります。
最悪の場合は貸し手から差し押さえを受けることもありますから、高額借入時には分割を選ぶのがいいでしょう。このように、各返済プランの特徴を知り、向いている方を選ぶのが上手に返済する基本です。また、両方の特徴をそれぞれ活かす方法もあります。
分割返済を選んだ時、1日でも早く1万円でも多く、とにかく早めにお金を返してください。ボーナスなどが出たら積極的に臨時返済をして、少しでも利用額を早く減らしていきましょう。
こうすると、分割返済でコツコツ返しながら、一括返済のように早く残高を減らせますので、少しでも利子を抑えられてお得です。このような合わせ技が使われることも多いですね。このことも含めて、返済プランを選ぶといいでしょう。
分割はちょっとずつコツコツ返す方法だすから、毎回の返済は楽なんだす。でも返済期間が延びて利子が増えやすいんだすな。どっちもどっちだすが、その時々の状況に合ってる方を選ぶのがいいんだべ。
返済手続きを知ろう!各方法でもメリット・デメリットあり
次は返済手続きです。これが実際にできないと返済ミスになりますので、各方法の利用法やメリット・デメリットを確認しておきましょう。各ローンでよく使われる返済法として、「口座振替」「ATM」の2つを中心にご紹介します。
口座振替
まず知っておきたいのは口座振替です。
- 多くのローンで使える返済法
- これしか選べないことも
公共料金の支払いなどでもよく使われる定番の方法ですね。多くのローンで使われますが、これしか選べない場合もありますので、手続き方法はよく確認しておきましょう。
毎月の返済額が自動で引き落とされるために、事前の手続きが必要です。手続き後、実際に引き落としが開始されるまでに1~2か月ほど時間がかかる場合もあります。また、銀行口座に指定がないかを事前に確認しておくとスムーズです。
この方法のメリットは以下の3点です。
- 手続きの手間が省ける
- 大金を持って外を出歩く必要がなくなる
お金はある方なら、手間が浮く方が嬉しい方も多いでしょう。時間がなくて返済できなかったというミスも防げます。滞納を防ぐ予防策としてもオススメですよ。
このように利点が多い方法ですが、デメリットもあります。自動で返済されるだけに、返済への意識が希薄になりがちなのです。気をつけたいのは次の2点です。
- 口座の残高の管理
- 返済計画の確認
給料の振込口座以外を返済口座にする場合、毎月の返済で残高がドンドン減っていきますから、定期的にお金を足すことをお忘れなく。
残高不足で引き落とせなかった場合、滞納と扱われることがあります。このような悪気のない滞納も、何度も繰り返すと信用を失くし、新規借入の停止と残高の一括返済を求められることがあります。
また、毎月自分でお金を返済しないと、残りの借入残高や、今のペースでの完済予定日がわからなくなりがちです。返済は順調か、もっとお得に返済できる方法はないか、意識して定期的に見直すことをオススメします。
以上のような方法です。ローンによってはこの方法でしか返済できないこともありますので、デメリットも忘れずに確認してくださいね。
ATM
カードローンなどで借入すると、ATMを使った返済は定番です。返済方法は主に画面操作ですので簡単ですが、そのローンの返済を受け付けているATMの種類を知っておきましょう。
- ローン提供元直営のATM
- 提携している金融機関のATM
- 対応しているコンビニATM
一番確実に使えるのは、そのローンを提供している金融機関や金融会社の直営ATMです。ココを使ったときだけ、返済手数料が無料になるというサービスもよく見られます。近くにこのATMがあるときは優先的に使うといいでしょう。
ただ、それだけに限ると利用できるATMの数が減るため、その他のATMもオススメです。提携している金融機関やコンビニATMですね。
カードローンなどの場合、主要な大手銀行やコンビニチェーンのATMと提携している例が非常に多いです。これらATMの方が近い場合、提携ATMの利用もオススメです。ただし、利用時間が限られたり、手数料を取られたりしますので、事前に利用法を確認するのがコツです。
ATMを使って返済するメリットは以下の4点です。
- 設置数が多いため返済できる場所が多い
- 事前の手続きが不要
- 直接手続きするために返済計画を実感しやすい
- 利用残高についても毎度必ず確認できる
返済窓口となる各種ATMの数は多いため、返済が簡単です。別の用事のついでに返済できたりします。また、口座振替と違って事前の手続きも不要です。ATMに行けば、その場ですぐに返済手続きを取れます。
その上、その手続きを毎回自分でやることで返済の実感を持ちやすいというのも利点です。明細等が出るため、毎回必ず残りの残高を確認でき、返済計画を見直せます。
このように、コチラも利点が多いのですが、デメリットもあります。
- 手間がかかる
- 防犯上の危険がある
自分で返済用のお金を毎回用意し、ATMまで出向く必要があります。忙しい方には面倒な手間ですよね。また、返済額を直接ATMまで持っていく形になりますので、防犯上の不安が残る方法です。このような注意点もあります。
その他の返済法
よく使われる返済方法は以上ですが、その他の方法もご紹介しておきましょう。
- WEB
- 銀行振込
- 窓口での直接支払
その他の方法の中で比較的使われやすいのは「WEB返済」です。
- インターネットバンキングを使った返済サービス
- 日時や場所を選ばずに即座に返済できる
- 取り入れているローンが少ない
ATMのように毎回自分で手続きして返済する方法になりますが、WEBを通じて即座に返済できるため、手間は格段に少なくなります。日時を選ばず、スマホ等から簡単に返済できますので、その他の返済方法の中では比較的使われやすいのです。
ただ、これに対応しているローンが少ないのが残念なポイントです。インターネットバンキングを使った比較的新しい返済方法ですので、コレが使えるのは一部のカードローンに限られることが多いのです。そのため、ややマイナーな返済方法になります。
これの他、銀行振込や窓口での直接払いでも返済できますが、主要な返済方法の中ではかなりマイナーな方法です。
- 他の方法以上に手間が多い
- 他の方法が使えないときにオススメ
銀行振込は手数料が有料となるケースが多いのです。他の返済方法なら無料で済むローンですら、この方法だけは有料としていることがあります。
窓口で直接払いたいときは、日時の確認が必須です。ATMよりも数が少なく、その上、対応時間もかなり限られることが多いのです。土日祝日は一切利用できない事も多いです。
以上のような理由で、これら方法はあまり使われないのです。他の方法が使えないときに使えるよう、一応覚えおく程度で大丈夫です。
選べるときはなるべく使いやすい方法を
たとえば、仕事が忙しくて時間を優先したい方は、ATMより口座振替が向いていますよね。口座振替の手続きが面倒だと思うなら、ATMが向いています。
どの方法にもデメリットはありますが、その内容を知っていればカバーできます。たとえば口座振替なら、返済用口座の残高を確認する日を毎月固定してはどうでしょうか?これで残高不足による返済ミスを防げますよね。
ATMなら返済日を忘れないため、カレンダーやスマホのスケジュール機能にメモしておきましょう。これで返済忘れは防げます。
各返済方法やそのメリット・デメリットを知った後、自分が好きな返済方法を選び、あとはその方法のデメリットをカバーするような対応を取れば、手続き面での問題はなくなりますよ。
よく使われるのは「口座振替」だべな。自動で返済できて楽だすが、返済してる感覚が薄くなるのがデメリットだす。返済金を口座に入れとくのを忘れないように気を付けるだす。
もう1個、よく使われるのは「ATM」だべ。返済してる感覚があっていいんだすが、毎回お金を用意してATMまで行く手間がある方法だす。
他にも返済方法はあるだすが、それぞれの特徴を知って向いているのを選ぶんだべよ。
3つの基礎知識をフル活用!最適な返済法を判断しよう
さて、これまで返済に必要な基礎知識、「利子の計算方法」、「返済プラン」、「返済手続き」についてご紹介してきました。これらの知識はバラバラに使うのではなく、フル活用してください。各条件でお得な返済法をうまく判断できれば、最適な返済ができます。
簡単に「こういうケースでは基礎知識を活用してこう判断しよう」という例題を紹介しておきます。参考までに見ておいてくださいね。
例題1:少額キャッシング
まずは簡単な例から。少額キャッシングの例をご紹介します。以下のような条件でお金に困っていたとしましょう。
- 出費が連続して急に金欠になった
- 足りないのは5万円程度
- 給料日まであと1週間ほど
- 給料日がくれば全額返せる
とりあえずキャッシングで必要な5万円を借りたとして、どうやって返すのがいいと思いますか?オススメなのは、次の方法です。
- 一括返済をチョイス
- 手続きはATMで十分
- 給料日が来たらすぐ返済
5万円を年利15%で1週間借りたら、利子は「約140円」になります。ペットボトル飲料1本分です。これくらいなら負担もかなり軽いですね。
ちなみに、借入期間が1か月に伸びると利子は「約610円」に、もし1年借りたとしたら「7500円」になります。1週間なら「約140円」。元金とあわせても十分に一括返済は可能。
これなら一括返済の出番でしょう。そして、短期間にすぐ完済できるなら、わざわざ口座振替の手続きを取るのも手間ですよね。事前の手続きが一切いらないATMで返済するのがお手軽です。
これで、お得で手間の少ない返済ができます。このように判断してほしいのです。
例題2:高額キャッシングの利用
もう1つ例題を出しましょう。次は高額キャッシングの例です。次のような条件を想定してみます。
- 車を買うため100万円必要
- 貯金はないがキャッシングなら借りれる
- 収入と出費から返済期間は約1年
- ボーナスで臨時返済もできる
とりあえず車が必要だったため、100万ほどキャッシングしたとして、今度はどうやって返すのがいいでしょうか?100万円も借りたら利子もかなりのもの。今回も一括返済がいいと思えるところですが、オススメなのは次のものです。
- 分割返済をチョイス
- 基本的返済は口座振替
- 臨時で返せるお金があればATMを利用
今回の例でのポイントは、次のものです。
- 月収を上回るほど高額借入
- 元金自体が大きいため利子も高額になる
先の例と違って、1度の給料を全額返済に回しても返しきれない高額借入ですから、一括返済は選びたくても選べないシーンです。こんなときは分割返済ですね。
1年くらいかかりそうな返済計画なら、口座振替が便利です。できれば給料の振込口座を返済用口座にしてください。これで、普段の返済は引き落としで勝手にやってくれますので、とても楽ですよ。返済漏れを出す必要もありません。最初に必要な手間につり合う利点です。
ただし、返済は少しでも早くやった方がお得なのですから、ボーナスという臨時収入があれば、そのときは臨時返済をお忘れなく。このときだけATMを使うと手軽でいいですよ。たったそれだけの工夫で、利子がお得になります。
ちなみに、金利15%で借りて1年かけて分割返済すると、利子は「8万3094円」です。ボーナスの臨時返済により9か月で完済できたら、「6万3530円」になります。
以上のように、実際に返済するときは各基礎知識をそれぞれ使って、最適な返済法を探してみてくださいね。
これが高額借入なら、分割返済の方がいいってなるだすな。返済期間が長引くなら口座振替の方が楽だからオススメだべ。こんな感じで、各条件でどうしたらいいかわかったら、上手に返済できるんだべよ。
返済責任は原則本人にアリ!お金がなくても請求される
通常返済のために必要な基礎知識をご紹介してきました。ここからは、返済できなかったときの基礎知識です。まず知っておきたいのは、返済不能になったときの返済責任です。
お金がなくても返済責任はなくならず、借入した方に請求されることが多いです。
返済責任とお金の有無とは関係ない!?
本当にお金がなければ、返済できなくても諦めてもらえると思っていませんか?実は、本当にお金がなくても、返済責任は変わりません。原則、借入した本人の元へ請求がいきます。仮に払えなかったとしても、将来的にアナタが払うべき借金として積み重なるだけです。
そのため、本当にお金がないと訴えても、あまり意味がありません。たとえば、次のようなものを使っても、アナタの返済責任は変わらないのです。
- 家計簿
- 公共料金の督促状
- 年金の督促状
家計簿を公開し、その他の料金の督促状なども見せれば、家計が赤字になっていることは十分に伝わります。しかし、借金の返済責任自体がお金の有無と関係がないため、その証明をしても意味がないのです。
少し厳しいところですが、お金の貸し借りになる以上、このような面もあります。まずはこのことを知っておきましょう。
返済が止まると保証人にも請求がいく
本当にお金がなくて返済できないとき、それでも借入した本人だけが督促され続けるのでしょうか?あるところまではその通りですが、どうしても払えないときは、同じように返済責任を求められる相手がいます。それが保証人です。
- 返済不能時の保険の1つ
- 借入した本人と同じように返済責任を持つ
- 返済が止まったときに請求がいく
借入した方が返済不能になったとき、代わりに返済を引き継ぐのが保証人の役目です。返済が滞ったときには、返済責任を同じように問われます。
ちなみに、これは「保証人」でも「連帯保証人」でも同じです。
返済が止まったとき、返済を引き継ぐ役目なのはどちらも同じ。「保証人」は経済的な理由で返済が止まったときに役目が来るのに対し、「連帯保証人」は責任の度合いが強く、返済が止まればその理由を問わずに返済を請求される。
多少の違いはありますが、どちらも同じ保証人です。返済が止まったとき、これら保証人には借入した方と同じように請求がいきます。
保証人が返済しても自分の返済責任は変わらない!?
保証人が代わりに返済すれば、自分の返済責任がなくなるのではと思えますよね。実はそうとも限らないのです。最初の貸し手に代わり、今度は保証人から返済を請求されることが多いからです。
- 返済先が変わるだけ
- 返済責任はやはり同じ
保証人から言えば、「返済を立て替えた」といった感覚になることが多いのです。そのため、保証人から立替分の返済を請求されることは多いです。これは日常感覚でも納得できるのではないでしょうか?
また、保証会社が保証人の役目を引き受ける場合は、ほぼ間違いなくそうなります。保証会社は保証人の役目を引きうけますが、それを実行した場合は本来の返済者に請求をするのが普通です。
借入した方の感覚では、返済先が保証会社に入れ替わるだけで、他に違いは感じられません。保証会社による保証は掛け捨て保険と違いますので、間違えないようにご注意ください。
ちなみに、保証会社が保証を引き受けるのは、次のローンです。
- カードローン
- 保証人が不要のローン
カードローンは保証人ナシで利用できるのが売りですが、その理由は保証会社が保証人の役目を一括で引き受けているからです。カードローン以外でも、保証人等を一切不要とする場合、保証会社が間に入っていることが多いです。
以上のように、保証人が返済を立て替えても、借入した本人の返済責任は結局変わりません。「お金がない」は理由にならないのだと、必ず確認しておいてくださいね。
両親や子供、配偶者に返済責任はない
保証人以外で、返済を代わりに請求されることはありません。両親や子供、配偶者など、かなり近い関係があっても同じです。
- 血縁関係と返済責任は原則関係なし
- 筋合いのない請求には応じる必要なし
返済責任は、お金を借りた本人とその保証人だけのものです。血縁関係を理由に返済責任が広がることはありません。また、仮に請求がいったとしても、それに応じる公的な責任もありません。
ただし、1つだけ例外があります。配偶者だけは一部の借金で連帯責任を問われます。
- 生活費の借金が該当
- 配偶者も返済責任がある
夫婦は共同生活をしているのが普通ですから、その生活のための費用は夫婦共同の物とみなされます。このお金を借金した場合、やはり夫婦共同の借金とみなされるため、連帯責任で返済が必要になるのですね。
このときだけは保証人になっていなくても返済責任があります。これだけは例外として覚えておきましょう。
立替分を返せって、今度は保証人から請求されるのがほとんどなんだべ。保証会社が保証人になってるときなんか、ほぼ絶対にそうなるんだすな。元から保証会社ってそういう仕組みなんだべ。
ちなみに、親とか子供とか、結婚相手とか、その辺へ代わりに請求されることは普通ないんだす。
滞納すると返済必要額が増える!返済不能なら債務整理が必要に
本当にお金がなくても、借入した方の返済責任は変わらないことをご紹介しました。実際に滞納したとき、どのような影響があるのでしょうか?特に大きいのは罰則金で返済必要額が増えることです。
短期滞納でもかなり損です。長期にわたると自力での返済がかなり難しくなるほどです。そのときには債務整理という手続きが必要になるでしょう。最後に、これらのことをご紹介しておきます。
滞納後にすぐ起こる問題
滞納直後からすぐに起こるのは次の問題です。
- 滞納期間分の罰則金が発生する
- 督促の書状や電話の対応に追われる
1番大きな問題は、罰則金の発生です。期限までに返済できなかったことへのペナルティとして、通常時よりも多くのお金を請求されます。
罰則金の金額は利子の計算方法とまったく同じです。「遅延金率」という専用金利が決められており、それを使って遅延した日数分の罰則金を計算します。
遅延金率は通常の金利より非常に高い基準に設定されています。ほとんど法定金利ギリギリになっていることが多いです。罰則金なので仕方ないのですが、返済必要額が膨れ上がって非常に損です。
その上、返済をお願いする電話や通知が来ます。これらに応じないのは非常に心証が悪く、利用停止にされることもあり得ます。最優先で応じる必要があるため、これらの対応に追われがちになります。
長期になるほど返済が難しくなる!そのときは債務整理へ
短期滞納なら罰則金で少し損をするだけで済みますが、滞納期間が長引くほど、返済必要額が増えますよね。長期にわたって毎日罰則金が発生すると、元の借入額の倍以上の返済が必要になることもあり得ます。
元の借入額自体が高額だったりすると、膨れ上がった残高を自力で返済するのはほとんど不可能となるでしょう。そのまま放置しても状況はますます悪化するだけですから、こんなときは「債務整理」をするのがオススメです。
- 返せない借金を清算する手続き
- 借金の減額・帳消しができる
「自己破産」という言葉を聞いたことはありませんか?これが債務整理の1つになります。今ある財産等をすべて返済に回した上で、残った借金は帳消しにできる手続きです。これをするには裁判が必要です。
これが特に有名ですが、他にもよく使われるのは「任意整理」です。
- 話し合いによる借金減額
- 手続きの流れは簡単
お金を貸した相手が認めてくれれば、借金は減額できます。裁判などを通さずにそれを交渉するのが「任意整理」です。裁判が要らないため手続きは比較的簡単ですから、よく使われます。
他に「個人再生」という手続きもあります。これは裁判を通して借金を減額してもらう手続きになりますが、いずれも一般の方にはややこしい手続きですので、完璧に知る必要はありません。
覚えておきたいのは、専門家が誰になるかです。実際に手続きするときは、専門家への依頼になることが多いからです。
- 弁護士・司法書士が専門
- 各事務所で相談しよう
特に債務整理を得意としている弁護士や司法書士がいますので、その方達に頼めば手続きを代行してくれるでしょう。自己破産や任意整理など、どれでいくかも各事務所で相談できます。そのときの状況に最適な方法で債務整理をしてください。
長期滞納による後遺症あり
1度長期滞納やそれに伴う債務整理をすると、お金を借りれなくなります。
- 金融事故歴の記録が残る
- 返済を信用されなくなる
- カード類すら持てなくなることも
借入の利用歴は、専用の機関にすべて記録が残っています。そのため、金融事故歴もすべて後から確認できるのです。
お金を正常に返せなかった記録のこと。長期滞納や債務整理などが主だが、返済が遅れている状態は原則これに当てはまる。
この記録は借入前の審査で必ず確認されており、金融事故歴があると審査に落とされることがほとんどです。返済を信用できないため、貸付を断られてしまうのですね。
この傾向が特に強いのは、住宅ローンです。高額借入ができる上、かなり低金利で借りれる優良ローンですから、利用者はかなり選別されます。金融事故歴がある方の利用は、ほぼ不可能です。
また、比較的審査の緩いローンでも使えないことが増えます。カードローンやクレジットカードは少額利用もでき、比較的審査は緩めですが、それでも金融事故歴がある方は審査落ちになることが増えます。
カード類まで含め、借入系の利用が一切できないこともあるわけで、滞納したときの影響はかなり大きいです。そのため、滞納はなるべく避け、長期滞納は債務整理で早めに精算しましょう。
返済不能時にオススメできないのは、別の借金を使って目先の返済をこなす「自転車操業」です。
- カードローン等を使えば簡単にできる
- 根本的解決にならないので注意が必要
カードローンやクレジットカードなどをすでに持っている方も多いですよね。これらを使ったキャッシングは利用目的を問われませんし、確認もされません。他社借入への返済のためにも使えますが、返済のアテがない状態で使うのはNGです。
これをやっても返済必要額が膨れ上がるだけで、根本的解決にはなりません。返済自体がそもそも難しくなったときは、これらを使った返済よりも債務整理を考えてください。
滞納を避けるためにも基本をお忘れなく
このように、滞納したときには数々の手間と悪影響があります。最悪の場合、返済残高は自己破産で帳消しにできますが、その記録が一度つくと、10年近くカード類すら持てないこともあり、取り返しがつきません
やむを得ない事情で滞納することもあり得ますが、できれば滞納後にそれを清算するより、最初から滞納しないようにするのが理想です。
そのためには、最初にご紹介したような返済の基礎知識を使い、最適な返済方法を見つけることです。
- 返済ミスや滞納をしにくくなる
- 安全に返済できる
最初から無理なく返済できる形になっていれば、返済ミスや滞納をしにくくなり、安心です。上手に借入するため、返済の基本をぜひ確認してくださいね!
【参考ページはこちら】
キャッシングの基礎知識についてもっと詳しく!
滞納したら罰則金もかかるし、それ以降はカードも持てなくなるし、散々だす…。滞納してからなんとかするより、返済の基本を押さえてうまく返済するのが絶対大事だす!
日割り計算したいときは、年間利子を365で割った後、借入期間を掛けりゃいいんだべよ。この部分まで含めて利子の計算法って感じだすな!